御葬儀を家族葬で執り行うことの決め手として、故人の遺言やつつましやかに送りたいなど理由があると思いますが、ひとつに費用が安く済むからというのがあると思います。
どうしても多額の費用が必要になるのがお葬式というものです。昔から村八分の者でも葬式だけは村をあげて行うというくらい神聖な行事なだけでなく、一家にかかる負担が大きくて周りの協力なしでは成り立たないのがお葬式です。
その意味合いでお線香代という名目で現在まで残っている伝統が「香典」です。
家族葬なので、この御香典を受け取らないというご遺族様もいらっしゃいます。一方で受け取るというご遺族様もいらっしゃいます。人によって対応はそれぞれですが、正解はありません。ただ、受け取らないと選択したかたが苦労するのは、お断りするのにエネルギーがいるということです。
昔から家と家の付き合いで、ご先祖同士がお葬式の時に香典や供物をやり取りしてきた経緯があり、「受け取ってもらわないと困る」というご親戚やご近所の方がいるものです。そういう意味で、香典を受け取らないという行為が図らずもギクシャクした人間関係を生み出す場合もあります。
そして、家族葬でもそれなりに費用がかかります。であれば、御香典はありがたく頂戴するのがいいのではないかと思います。あくまでも個人的な考えですが。